大阪支部主催「実践交流会&講演」報告
去る3月30日(土)に大阪支部主催の「実践交流会&講演」を市民交流センターひがしよどがわで開催しました。年度末の最後の土曜日でしたが、40名の参加があり、実りの多い充実した研修会となりました。
最初の1時間は日本ピア・サポート学会の海外研修の報告を参加した支部長の菱田と副支部長の本多から行いました。オーストラリアのアデレードでの修復的正義を学校に導入している状況、シドニーでのピア・サポートプログラムの活動場面を写真や資料をパワーポイントに整理し、参加者にお伝えしました。
2時から3時間を使って新宿せいが保育園の藤森平司園長を講師としてお招きし、「他者貢献できる人づくり」と題して、講演をいただきました。人類の起源から人族の生存戦略の話や、赤ちゃんが育つ必要な環境や要素について学問的なお話から具体的な事例に基づいたお話をいただきました。藤森先生が最後におっしゃっていた多様性のお話は私たち教育の現場に切実でとても大切な指標となるものでした。それぞれの子どもたちが輝きを放ちつつ、集まってより美しい光を放っている「スバル理論」。昔のように大豆の原型を残さずに、1つの豆腐のようになめらかにしてつくるような集団ではなく、1つずつの大豆の原型を残しつつ、お互いが糸をひきあって、それが伸びたり縮んだりするように、よりかきまぜるとうまみがでるという集団をつくる「納豆理論」。この「スバル理論」と「納豆理論」とで子どもたちの集団をつくりましょうと呼びかけられました。示唆に富み、元気を引き出していただいた講演でした。本学会が進めるピア・サポートの意義も確認することができました。
参加者の感想
◆目からうろこで、感動です。日々感じていることを、わかりやすく教えていただいて、大変よかったです。改めて、藤森先生の本やブログを読みたいと思います。
◆修復的正義について教えていただいてことで、今後のピア・サポートを指導する上で 学生たちの理解を深めやすくなると感じました。「依存心が強いと常に指摘されてきた私 ですが、藤森先生のお話を聞かせていただき、「生きる力」が十分についているのだとポジティブに受け止められました。
◆家庭教育、幼児教育の意義を再認識しました。それと”共育”の大切さも。今日のお話はピア・サポートの理念を下支えする点で大切な意味を持っているようにおもいました。いろいろ啓発されました。本校は社会的自立を大きな教育目標にしているのですが、その“自立”の意味を深く考えさせられました。幼児のときから社会集団の中で育てる何らかの仕組が必要ですね。従来、ピア・サポートは主に思春期以降のプログラムという思い込みがありましたが、幼児期からのピア・サポートの発想がいるというか、ピア・サポートは今後積極的に幼児教育に関わる必要がありますね。ヒントをたくさんいただき、ありがとうございました。とってもよい講演でした。
◆ピア・サポートの取組に興味があり、来させてもらいました。日本とは違ったオーストラリアでの取組に大変驚きました。また、藤森先生の話で、発達障害についての考え方を変えることができたことは、これから教師を目指すにあたって参考になりました。ありがとうございました。
◆今日の講演を受けて、これから子どもを育てていくために、学校・家庭・地域が連携していかなければならないと強く思いました。私は学生で教師を目指していますが、先生がおっしゃられていたインクルージョンの考え方を学校現場で生かしていきたいです。
◆人類学的にも「協力」が生きる道なのだとわかり、一層ピア・サポートをすすめていこうと考えました。ありがとうございました。
◆藤森先生のお話は、大変興味深く聴かせていただきました。中でも園でのテーブルクロス場面(女の子はスゴイ!!)や積木の片付けetc子育ての場面で親・指導者(大人)が待つこと、子どもの力を信じることの大切さやそのための環境を整備することの大切さについて、また自律することは他人に頼める力を育てることなど、学ぶことがたくさんありました。ありがとうございました。
◆小学校に勤務している養護教諭です。日々、接している子どもたちが出しているサインをどう受け止め、かえしていってあげられるか悩みが多いのですが、藤森先生のお話をお聴きして元気をいただくことができました。ありがとうございました。
◆オーストラリアの報告はとても具体的でわかりやすくイメージしやすかったです。藤森先生のお話は初めて知ることばかりで、本当に興味深かったです。ぜひ、本を読みたいです!ありがとうございました。
◆大変感動しました。ありがとうございました。新任のころは、多様性を大切にして、個人育てと集団づくりを目標にやっていたことを少し思い出しました。今、多忙さにそれが薄れてきているような…反省しています。
◆子どもの集団の大切さについて、再び考える機会となりました。軽度発達障害の子はそぎ落とされずに来たのだという言葉がびっくりしました。心にストンと落ちました。
◆大変興味深いお話をきかせていただきました。今後の仕事に、子育てに、自分自身に役立つ内容でした。また機会があれば、お話を拝聴できればと思います。
◆幼児教育の重要性をすごく感じました。大変勉強になりました。新学期から生かしていきたいと思います。ありがとうございました。
◆今日はすばらしいお話をありがとうございました。次の世代を育てるポジションにきている自分が何をしなければならないか、わかった気がします。子どもの持つ力はすごいと思います。
◆集団の力の大きさ、大切さを改めて実感しました、知らないことばかりで、本当にびっくりの連続でした。今年一年生を持っていましたが、もっと先に学べておけば、子どものためにできることがあったのになあと思いました。ありがとうございました。
◆今日は興味深いお話をきかせていただきありがとうございました。発達障害の考え方、様々な能力が残りすぎるという表現、すばらしいと思いました。オーストラリアのご報告も大変勉強になりました。
◆保育園の子どもでも、あれだけまわりといろんな関わりを持つことができているのかと驚きました。他人と関わったり貢献したりすることが難しい現代の子どもたちにどんな指導が必要なのか考えさせられました。
◆科学的なところから、今の様々な問題の原因を教えてもらうことができました。赤ちゃんの能力のすごさもお話を聞いて驚かされました。知らないことをたくさん聞かせていただき、新しい発見があり、学びのある講座であったと思います。ありがとうございました。
◆ソーシャルブレインの話は、最近興味があったので、本当におもしろく聞かせていただきました。新宿せいが保育園のビデオもとてもおもしろかったです。ぜひ、見学に行きたくなりました。
◆午前中、食の大切さの勉強をしてかけつけました。まさに先生の話、キッズヨガをして朝ごはんの会を妻としております。この話をその活動にも活かしてゆきたいと思います。保護司をしていますので、先生の想いのように、一人ひとりの子どもに関わっています。
◆本日はありがとうございました。人類の理論から見ると、いろいろな教育の疑問がよくわかりました。今、高校生を教えていますが、「社会脳」は確かに欠けていると実感です。また、機会がありましたら、お話を伺いたいです。貴重なお話を本当にありがとうございました。
◆「集団が個を育てる」この言葉を今日は手に入れました。「コーヒージョン」納豆理論、わかりやすかったです。高校現場にも、発達障がいや色んな問題をかかえた生徒が多く入ってきますが、また新たな力を得て、新学期を迎えたいと思います。本当に素晴らしい講演をありがとうございました。オーストラリア視察も、とても興味深く伺いました。今、できることを一つでも周りでやっていきたいと思います!!
◆子どもの発達や成長を人類の進化というところから考える貴重な時間をいただきました。子どもの見方が、また変わりそうな気がします。
◆脳の問題が子どもをとらえること、先生のお話を聞くまでまちがって認識していたように感じました。人は必要なもの以外を減らしていくという考え方で教育に接していけば、また関わり方が変わると思いました。とても興味がある内容で勉強になりました。今日は本当にありがとうございました。
◆子どもの自立は、何でも一人でできることではなく、「人に頼めるようになること」、大人にとっても同じというか、むしろ大人になるほど必要なことと感じました。藤森先生のお話の中では、教育に関する言葉1つ1つに対して、表面の意味ではなく、状況ごとに「意義」を見出されていて、これから自分の人生においても、ただ言葉にするだけにせず、掘り下げて見つめていこうと思いました。
◆本日は、参加させていただきありがとうございました。新年度目前にして、とても刺激ある時間となりました。子どもたちとゆっくりと向き合い、待ち、考える時間を大切にとりたいと思いました。自分自身がゆとりをもち、仕事をしていくことを目標に…。
◆子どもの健康問題は、清潔さを求めたばかりにおこっていることが教えていただきわかりました。子ども達は集団の中で助け合い、成長していっているのは感覚で感じていましたが、先生のお話から、より具体的に知ることができました。ダウン症のお子さんが場面で関わるだけで大きく成長している姿がとても感動しました。障害の有無に関わらず、できない時は人に頼み、助けてもらえる社会にしていくために、子どもたちへの関わりかたを明日から見直していきたいと強く思いました。いろいろ教えて頂き、大変勉強になりました。
◆とても参考になるお話ばかり聞くことができ、今日は参加できてよかったです。特に、先生に見せていただいたビデオから子どもたちの能力のすごさを改めて実感しました。全てお膳立てするのではなく、力をつけていける支援をしていきたいと思います。
◆オーストラリアの学校の様子がよくわかり、また日本と同じように担任が普段の関わりの中に取組を入れているということで、自分自身のモチベーションもあがりました。手探りですすめていたり、悩んで立ち止まることがあったりするのですが、これから進むべき道のヒントをもらえたような気がします。新宿せいが保育園の藤森先生のお話は、大変興味深く聴かせていただきました。懇親会でも先生のお人柄に触れることができ、こんなふうに園長先生に信用されていたら、園長先生のために一肌脱ごう!という職員ばかりなのも納得です。ビデオを見せてもらいながら、子どもたちの行動にも感動しましたが、説明する藤森先生が職員を自慢だと思っているんだなというのが聴いていて伝わってきたことに感動しました。新宿せいが保育園のような学校があれば、働いてみたいです。菱田先生!よろしくお願いします!!