大阪支部主催:国際交流特別企画ワークショップ
「香港のいじめ対応プログラムから学ぶ」
2013年12月7日(土)10:30~16:00 大阪教育大学天王寺キャンパス
講 師 ブライアン・リー(元香港教育局生徒指導部門主席調査官)
通 訳 西山 久子(福岡教育大学), 山崎 茜(広島大学)
【プログラム】 |
香港の教育局のポリシーの確かさ、大学と学校とがそのポリシーに基づいて具体的なプログラムと教員養成が包括的にすすめられていることに感銘をいたしました。国や行政のリーダーシップに期待したいところですが、ワークショップで得た多くの示唆を実践にいかしていただければ幸いです。ブライアン・リーさんをはじめ、多大なご尽力をいただきワークショップを支えていいただいた西山久子先生に深く感謝をいたします。ここに、参加者の方の感想を紹介いたします。
日本ピア・サポート学会大阪支部長 菱田準子
参加者の声
岡山県 備前市立備前中学校 橋本朝之
私は「いじめ防止対策推進法」「いじめ防止基本方針」の全文と解説書を読み終え、その足で大阪に向かうことになりました。わが国では「国民総かかりで・・・」を理解したのだが、海外では?期待は大きく膨らんでいました。
ブライアン・リー先生のお話の内容は「香港における生徒指導」「香港におけるいじめ予防の概要」「香港におけるいじめ事案への介入の放略の紹介」3つの構成でした。
まず、「香港における生徒指導」では「包括的生徒指導サービス」がキーワードとなり、これを実現させるための教師の研修は100時間にも及び、その財政措置も当然のように行われている。このシステムについては参加者皆が驚いたことでしょう。
つぎに「香港におけるいじめ予防の概要」は、まさに日本が施行した「いじめ防止対策推進法」とほぼ同じと考え方と思ってよいだろうと思いました。しかし、いじめの定義については加害者についての記述もあり、いじめの構造をより科学的に分析する姿勢が伺えました。香港では科学的な分析から「解決志向で誰も非難しないアプローチ」でのいじめ事案への介入方法が示されていました。修復的司法の考えを元にコミュニティを修復してゆく素晴らしい姿が示されていました。
しかしながら、自分の置かれている現状を見ると、いじめ事案は「被害者は支援処置、加害者は懲罰的処置」この構造で介入されています。加害者の支援が不十分ではないかと思いました。特に地方都市に行けばその傾向が強いのではないかと感じています。今後この加害者支援に可能性があるように感じました。
かなり、堅い話になってしまったが、私は語学が全くダメで、このような外国語が飛び交う講演は睡眠学習に陥りやすいのですが、目がギンギンでした。西山先生、山崎先生のサポートのおかげだと感謝しております。お疲れ様でした。
さらに、帰りのバスの中で考えたのですが、言語が通じなくても「いじめの撲滅」したのではないかと。地方に居たのではダメだ、本物に触れてよかったと思いながら帰路に着けたことはとても幸せでした。
~12月7日(土) 大阪教育大学天王寺キャンパスにて~
◇池島先生の講義でよりクリアになることから始まり、知識として得ていたPIKAS法の実践をリー先生から教えていただき、とてもありがたかったです。また、お聞きしたかった八幡先生の実践をお聞きできてよかったです。森川先生、伊藤先生、菱田先生のお元気で温かいパワーにいつも元気をいただきます。ありがとうございました。(高校教員)
◇今学校で対応の難しいいじめについて、よい学習ができました。ブライアン・リー先生の香港のいじめ対応プログラムについてお聞きでき、今後の参考にしたいと思っています。八幡先生のサポートグループのようなことができたらいいなと思いました。(高校教員)
◇今まで受けてきた指導などとは全く違う側面からのいじめへのアプローチが知れた。予防の大切さ。罰の方法の例には「そんなことするのか!」と驚いた。(大学生)
◇創立4年目の中等教育学校に勤務しています。現在中学1年生男子のいじめ事例をひとつ抱えていること、9月の法施行を受けて2014年度からの学校全体でのいじめへのアプローチをどのように構築していくか、という問題意識を持っていること、この2点から特に意識的にワークショップを受講させていただきました。大変多くの示唆を得ることができ、ありがたく思っています。しっかり整理して、現場での実践につなげるようにしたいと思います。八幡先生の実践は自分の現場につながることが多くあり、身にしみて共感しながら聴かせていただきました。また私も現場でがんばろうと勇気を与えていただきました。お話をくださった大阪支部の先生方、今回もまたあたたかいおもてなしありがとうございました。(高校教員)
◇いじめ予防の研究を専門にしているのでとても刺激いっぱいでした。ブライアン先生には香港で色々見せていただいたので、改めてよさを知れました。八幡先生の発表を聞いて、「サポートグループ」の出張をSCのようにあちこちでやっていこうかなと思いました。大阪のみなさま、コーディネートありがとうございました。(大学院生)
◇これまで学校で「通常」に行われていたいじめ解決のアプローチでは解決できない事、そして学校や学級が居心地の良い環境になる事が大切だと言うことがよくわかりました。ありがとうございました。(小学校教員)
◇ブライアン・リー先生の香港で取り組まれているいじめ予防教育の実践で、自分の学校でも取り入れたいものがありました。また、いじめられた生徒の親や加害者、被害者の生徒にどうアプローチするかも参考になりました。
◇次々と行動する大阪支部のパワーに圧倒されます。スタッフのみなさま、ごくろうさま。東京から参加できて、またまた勉強させていただきました。リーさんの講演については、「いじめ予防」に子ども参画の活動をどのように展開させているか伺えるとよかった。
◇いい話を聞かしていただいてまた、新しい力がわいてきました。45歳でひきこもっている男性を社会に出す働きかけをしています。がんばろうという力をもらいました。
◇今日はありがとうございました。ワークショップ等に参加させていただくようになってから、まだ日が浅いのですが、いつもホスピタリティあふれる(o-mo-te-na-shi)会をつくっていただき感謝しております。ありがとうございます。午前中の素直な感想は「行政が動くことが一番早くて効果的」です。午後の内容の中では実践発表がとても印象的でした。学んだことを還元するために努力したいと思います。ありがとうございました。(行政)
◇解決試行アプローチにとても興味がわきました。(中学校管理職)
◇サポートグループのアプローチの実践発表がとても印象的でした。クラスの実践やいじめの構造によってアプローチのやり方は異なると思いますが、どの学校でも実践するためにはどうカリキュラムや計画を立てればよいのかもっと詳しくしりたかったです。(中学校教員)
◇ありがとうございました。海外の実践や事例などの話が聞けるのはすごく勉強になりました。こういう機会をたくさん増やしてほしいです。
◇香港での行政をあげての取り組みをうらやましく思いました。香港の学校組織、小中学校の数などがよくわからなかったので背景をもう少し知りたかったです。