日本ピア・サポート学会大阪支部主催「講演会&情報交流」ご報告
桜の花も少しずつ咲き出しました。大阪支部主催の「後援会&情報交流」は今回で3回目となりました。すぐそこに新年度を迎える土曜日に35名の先生方が大阪をはじめ、岡山、鳥取、香川、京都から集まられ、大変有意義な研修会となりました。
岡本先生は、子どもの問題行動をピンチではなく、チャンスと見る視点が大切であると何度も強調され、反省させるだけでは、子どもはよくならないことを受刑者の方のお話もまじえてわかりやすく教えていただきました。
また、「しっかりしなさい」「うそをついてはいけない」「がまんしなさい」という価値観で育てられた子どもは、自分を抑圧するようになり、自分のそういった気持ちを奥底にしまいこんでしまい、困った状況を生み出しているとお話いただきました。子どもたち自身もわからなくなってしまっているそうした傷つきに私たちは寄り添わないといけないと実感した時間となりました。
日時:2014年3月29日(土)
講師 菱田準子(大阪教育大学准教授 大阪支部長) |
感 想(抜粋)
◇自分が今までやりたいと思っていた方向性の整理がつき、裏付けをしてもらえたような、とてもしっくりきた研修会でした。今回初めて参加させていただいて、同じ方向を向いてがんばっておられる先輩方がたくさんおられて、改めてがんばろう!!と思えました。(中学校)
◇学校で、生徒指導、教育相談、特別支援などさまざまな視点で生徒と接していくなか、すべてに共通する視点を持つことができました。光があれば影があるという先生のお言葉、事象が現象だけでなくその背後にあるものを見つめていけるよう学校現場でやって行きたいと改めて思いました。昼食時も他府県の先生方とお話をすることができ、とっても充実した一日でした。本当に参加してよかったです。4月から頑張れそうです。(高校)
◇岡本先生の話をきいて、考えることがたくさんあってよかったです。価値観の表と裏の両方を考えておくことが子どもの行動の理解につながるんだと思いました。小学校の教員として子どもの大切な時期を一緒にすごしたいと思いました。(小学校)
◇二つの講演をきかせていただいたが、共感する点が大変多くあり、今後の学生の指導にも役立つと考えている。とりわけ「社会とつながる」「人に助けてもらう」「共に楽しいことをする」というキーワードで子どもおや保護者と係る。言葉だけでなく、教師が行動でつながっていくこと、人に大切にされる経験を積ませることが、人を大切にできる行動をつくっていくことは自明であるが、様々な事例を聞く中で改めて強く感じることができました。(大学)
◇外からの働きかけでは人を変えることはできない。その人の根本的な原因に働きかけ、自分から変わろうとする力を引き出すことが大切だということを思いだすことができました。そして、そこにピア・サポートが有効だと思いました。イギリスや秋田の学校には“色”があると思いました。今の学校には色がありません。もっと楽しい色のある学校を作りたいと思います。(高校)
◇研修会に参加させていただくと、毎回温かいおもてなしをしていただき、いつも感謝。感謝です。菱田先生のお話、岡本先生のお話に「なるほど」と思うことばかり、時間があっという間に過ぎていきました。心に残ったことがたくさんありましたが、キーワードを上げると『恩恵享受的自己感』『人生初の問題行動はうそをつくこと』『問題行動、起きた時がチャンス』。質問&ディスカッションでは考えさせられることが多くありました。少し落ち着いていた自尊感情がやや上がったような気もします。(中学校)
◇午前の菱田先生の「成長していく糧」の話が心に残りました。人と愛情でつながってきた人は、自己を肯定的にみる力があり、何かあったとき、その人はそれを通してより強くなる・・現場で子どもたちに愛情をそそげるだけそそいでいこうと決心しました。午後の岡本先生の「今のままでええやんか」と伝える話、同感しました。子どもを責め反省させることのない新年度の一年間にしたいと思っています。(小学校)
感想の一部を掲載させていただきましたが、心温まるメッセージ、多くの学びが得られたと伝えていただき、主催者側も感謝の気持ちでいっぱいです。とりわけ、忙しい中に講演を引き受けていただきました岡本茂樹先生に深くお礼を申し上げます。